判ちゃんに原作版佐野をリクエストされたため、彼を捉えるべく再読。見えてきたモノは・・・。

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青葉 2007/02/19 01:27

今日は公園で子供らが遊んでいるのを監視しつつ、ひっさびさにキャプテン青葉戦(谷口編〜丸井編)読んでました。
佐野についてなんかみえるかなーっと。
相変わらず直感で、もの言ってますが、出てきた単語は、
「大人びた子供」うーん。
青葉の子達全体にいえるんだけど、なんか、不器用だなあ・・と。
「佐野から打てっこないもんな」←これがすべて。
すこし相手を見下すような台詞の数々、ピンチのときに何も出てこない言葉、ああ、この子達すっごい不器用だ。そういう台詞しか選べないんだ、と思った。
捕手の子とセカンド、サードは佐野と同学年でレギュラーなんだよね。打つところでは打って、点とってもりたてて、何度もファインプレーで抑えてて。谷口編再試合の9回裏は「あとふたり」「あとひとり」の佐野の表情がいい。ところが、信頼していたサードのエラー。これ、佐野にとってはかなりショックだったんだろうな・・。
ここからどんどんおかしくなっていく佐野。敬遠策も、自分たちで選んだものなら、ここまでの動揺はないのに。ああもう、不器用。
「勝負できないのが悔しくて・・」
ふと、イガラシなら敬遠するよなあ、と思った。本当は、勝つことにそれほどハングリーじゃないこの子達。
うがった見方をすれば青葉のなかで認められること、が最重要だったかもしれないこの子達、試合に関しちゃとことん不器用なんだ。
不器用なまんま3年生になって、淡々とぶっ倒れるまで投げて、
ベンチで見ているしかなかった佐野の心情はどんなだろう。
うーん、相変わらず未消化ですが、ま、書いてるうちに見えてくるもんもあるかなー。
やば。もう寝ます。






**佐野 2007/02/20 01:28

佐野が闘志をむき出しにしたのは、やはり谷口との再試合の9回裏。
あと二人、あとひとり、とつぶやく姿は、絶対に抑えてやるという気迫にみちていて、それに呼応するかのようにバックの好守備が光る。
そして、波乱のエラー、敬遠のあと、「勝負したい」の熱い気持ちで、再びマウンドに立った佐野の気迫は、やっぱりカッコいいと思う。
静かな谷口の気迫と、勝負は紙一重。(佐野の球はバットへしおってるのだから!)
一日おいて、プレイボール東実・佐野を読んだ。
職業・投手。
自分の能力を限界まで磨ききって、淡々とアウトをとっていく。
ただ、黙って静かに自分のポジションでできることをやる。
プロ。
そんな風に見えた。
熱さが、冷たい方向に行く。
丸井との延長18回の試合、最初に点をとられたこと、ラストをベンチで見ているしかできなかったこと。
誰かが、「俺たちにまかせろ!」って言ってくれてたら、また違ったのかもしれない。でも、不器用な青葉の子達は、言葉でいうことはできなかった。プレーでは全力のフォローを示してるんだけれど、彼らは「佐野が打たれるわけがない」という言葉しかもっていなかった。
その言葉で団結してきた、エースへの絶対の信頼で団結してきた子達だった。
「打たれないほどの力を身につけること。だれよりも強くなること。」
一投手として。
ただ、マウンドに上がったら、そのエースとしての仕事をまっとうする。
「打たれるわけがない」に答えるために。
佐野が選んだのは、そういう道なんだなあ・・と思った。
不器用で、一途だ。




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コメント
この記事へのコメント
思い出したのは…
こんにちは。酔八拳です。
佐野考察、お疲れ様でした。
わたしがこの考察を読んで思い浮かべたのが、「透明に闘志を燃やすさま」という名言を生み出した、からくりさんの「フラットシリーズ」です。
あの佐野像に衝撃を受けて、何とか会話劇で表現してみようと判ちゃんの掲示板で挑戦した(なかなか思い通りには行かなかったのですが)ことなどを思い出しました。
わたしはキャププレの投手の中で、特に思い入れのあるのが百瀬とこの佐野なのですが、なかなか自分の言葉でこの二人を表現できませんでした。
今回、雪うさぎさんの考察を読んで、「佐野は『月』なんだなぁ」と、ふと思いました。
「太陽」である谷口の下では、仲間達が思い思いに動く。倉橋のフォローがあったり、先輩達のおちゃらけがあったり。それがドラマとして面白い。
けれども佐野のチームメイトは佐野を称え、頼るだけ。どこか「月を見上げて詠う歌人達」を思わせる。青葉では「佐野が打たれる訳がない」、東実では「さすがの墨谷もタマの速さに声も出んようだな。無理もねえ」
そして当の佐野はと言えば、自分を見上げる人々のため、煌々と輝く月であろうとする。それは「孤独」ですらなく「孤高」というべき在り方だと、わたしは思う。
谷口との勝負を熱望した佐野。勝負には負けた、紙一重ではあっても。佐野には自分を責める気持ちがあったと思う。「勝負を望むならば、勝てるだけの実力が必要だ」
丸井たちとの死闘では、途中で力尽きた。佐野はこう思ったのかも知れない。「自分の力が足りなかったから、人に託さねばならなくなった」
敗因を、一人で背負い込むような厳しさがあって、あの東実での急成長があったのだと思う。
淡々と、という怖さを体現している部分では谷口と似ているが、自分の仕事としての「投手」を完璧にこなす様は、やはり「孤高」の人を思わせ、近寄り難い。
そしてその部分が、わたしが佐野に惹かれる部分なのだろうと思う。
うん、まだ消化不良な感じですが、現時点ではこんなところだと思います。
長々と(だらだらと?)書いてしまって申し訳ありませんでしたが、おかげさまで何とか自分の言葉で佐野を表現できるようになった気がします。ありがとうございました。
またいずれお邪魔したいと思いますが、その時はどうかよろしくお願いします。
ではまた。

2007/02/21(Wed) 03:18**URL**酔八拳 [ 編集]


おはようございます。雪うさぎさん。
うん。佐野君なら私の薄〜いキャププレ知識でも語れる! と思いコメントにやってまいりました〜♪ 
からくりさんの「透明に闘志を燃やすさま」は、私にとっても佐野君を表すこれ以上のフレーズはないと心のバイブル。そしてそれに上乗せしての酔八拳さんの佐野君「月」説…。くわーっ! みんなどうしてそうポンポンといい表現を思い浮かべることができるんだろう…! と自分の思考力の浅さにはがゆさだけが募っていく毎日!! 
谷口さんはもちろん「勝つため」に野球をしているんだけど…。それは「皆で」って感じで…。でも佐野君は「己の為に」(決して自己中ということではなく!)って所がシンプルで私は大好き。そんな彼に認められたいと切望する自分がいます。そして、孤独で孤高の人に認められる自分を想像すると…ぞくぞくーって全身総毛立つ思いが…。ああ、ボキャブラリーの貧困さを痛感。……あまり「考察」にもなってないな…。ただの感想になっちゃった(苦笑)。ま、佐野君って私にとってはそんな存在であるということで…。

2007/02/21(Wed) 04:00**URL**Rin [ 編集]


<酔八拳さん
「透明に闘志を燃やすさま」からくりさんのフラットシリーズは、投げることが呼吸と同じぐらい当たり前だった佐野に、はじめて火がついたときの様子をまさに言い当てた、素敵な言葉だと思います。
実は、「透明」は、私は谷口やイガラシ、(ちば先生にも)皆に感じてしまうのですが(闘志が純化していったイメージがあって)、温度や、色の差によるのかなーとぼんやり思っていました。で、「月」という酔八拳さんの指摘に、ああ、冷たい方の、冴え渡る方の透明なんだ、と思いました。
月を讃える歌人達・・青葉ナインは、名前すら与えられていないけれど、読んでいくとキャッチャーの子もサードの子も、一生懸命でいい顔してるんですよね。一軍・二軍という、まず青葉の中で生き残らなければならなかった子達が、「頼むぞ」「まかせろ」言えないんですよ。部長に教えてもらってないんですよ、その言葉。
(酔八拳さんの谷口と佐野の会話劇は、佐野が「たのむ」と言えるんですよね。谷口だから、という、その重み。)
「頼むぞ」のかわりに「打たれるわけがない」という言葉しか選べない彼らの励まし方はとても悲しいです。それに応えようとする佐野は、御指摘の通り、やっぱり自分の力の足りなさを痛切に歯がゆく思ったろうし、孤高だけれどもチームが好きなんだと思いますね。
うーん、私も未消化ではありますが、じたばたしながら考えた呟きに、コメントありがとうございました!
<Rinさん
実はSANOより佐野が大好きなRinさん、おはようございますって、ハンパじゃない早起きですね。
「己のために」佐野の怖さは、そこだとおもいます。「たのむ」が言えない不器用者は、相手を責めることもしない。(ほんっとーに、一言の愚痴もなしですよ、この子は!
イガラシのように「点をとってくれ」すら言えないんだから、もう。どうしてくれよう。)
アウトをとれない自分が悪いんだ、とすら思っているかもしれない。
この子が、人を認めるって、どの瞬間だろう・・と、ちょっと思っちゃいました。
「たのむ」が言える相手ってことですよね、つまり。
頼る、頼られるという関係を作れたら、絶対世界は広がると思うので、むしろ女の子(わはは)な私達の特権かもしれないなあ・・次は、佐野の彼女はどんなタイプ企画・・やらんかなあ・・(話がずれてる?あはは・・)。

2007/02/21(Wed) 14:46**URL** 雪うさぎ [ 編集]
「青葉」の方でコメントするべきでしょうが…
こんにちは、酔八拳です。
Rinさん、雪うさぎさん、わたしの「月」説にご理解を示してくださってありがとうございます。
わたしもじたばたしながら言葉を紡ぎ出していった訳ですが、何とか人様に伝わる言葉であった事が分かって、とても嬉しく思います。
さて今回の本題は、佐野を中心とした「青葉」です。
あれから「谷口編」と「丸井編」を読み比べて調べたら、
 1番 セカンド 中村
 2番 センター 藤田
 3番 サード 後藤
 4番 キャッチャー (名前不明)
 5番 ショート 中野
この5人と佐野は両方に出場しています。下位打線は残念ながら不明ですが、少なくとも6人が「2年生からレギュラー」だったことになります。
これって、青葉のような選手層の厚い名門校では、「非常事態」と言っても過言ではありません。そこでわたしはこの佐野世代を「青葉黄金世代」と位置付けています。
当然、あの部長にとっても想定外の事態だったでしょう。
その中でも一際高く冴え渡っていた佐野は、もしかしたら部長にも手に負えない程の素材だったのではないでしょうか。
だから、普通なら「本当の満足感とは試合に勝った者だけが味わえるものなんだ」で済んでしまうものが、佐野の「勝負したい」という意志を尊重してみよう、という方向に傾いて行ってしまった、とも考えられるのです。
次の年、一塁ベース付近で倒れた佐野を、部長は本当に心配していました。他の選手には「捨て身になれ」という部長が、佐野にはそれを言えなかった。
何故なら、佐野はもうそれをしていたから。
無事東実に送り出す事が出来て、部長はさぞホッとしたことでしょうね。
また、チームメイト達ですが、同じ学年(ほぼ間違いない)で、気心も知れている筈なのに、何故か佐野にだけは「任せろ」が言えない。余りにも高い所にいるエースに、気安くその言葉は言えない。
そして佐野も、そんな仲間の実力と努力を知っていて、「頼む」と言わない。全てを背負い込める程のエースであろうとする。
悲しいくらいに、不器用ですね。
谷口が「みんなと共に」なら、佐野は「みんなの為に」の人なのでしょう。そうして初めて、佐野は自分を認めることができる。そういう意味で、Rinさんの「己のため」は正解なのだと思います。
「みんなの為」だから、「言われれば、俺は投げ抜くよ」(フラットシリーズ)というセリフになるのでしょう。このセリフ、「孤独なヒーロー」のそれですよ。
わたしも佐野に認められるような人になれたら、と思います。でも今、その資格があるのは、谷口だけなのかも知れないですね。
お二人の感想・考察を受けて、もう一つ踏み込めたような気がします。ありがとうございました。またお付き合いくださいね。
ではまた。

2007/02/21(Wed) 17:53**URL**酔八拳 [ 編集]

昼にコメントレスかきこんだものの、すっきりせずもどってみたら、さらに青葉の子達への考察が・・・・!わあ。
まずは、昼のレスのことで、Rinさんへ謝罪。人間佐野に対する強烈な憧憬を、つい女の子としてレスしてしまったこと、申し訳ない。少年マンガに憧れるのは、そうじゃないんだ、人間なんだよ、と分かっているんだけど、ねえ。
憧れて、憧れた人に認められたい、という気持ち、それはやっぱり、鳥肌が立つような感覚だと思います。ぞくぞくするような。
そして、追加コメントの酔八拳さん、早速の読み込み、すごいです。
名前が分かった途端、彼らが、より生き生きして見えてきました。そう、2年生なんですよー奇跡の世代。(ということは、谷口世代は2軍で甘んじてるのが殆ど・・・吉田君3年だし・・・うーん・・)。
気心知れてるのは、「まあ何にしても、2点いれてもらえりゃたくさんだ」の頼もしいセリフからも、窺えます。
キャッチャーの子、みんなにはたのむぞって声かけてるんですよね。
言葉にしなくても認めあえるってのは理想なんですが、
もう、言葉が足りない方に見えてしまって・・・。
そんな中の部長のポジションについても、考えてみたかったんですが、難しすぎました。全部見えてる、大人の位置。
谷口の原点かも知れない青葉の部長、ああ、考えたら深みにはまりそうですね・・。谷口も、はじめは決して、みんなとともに、じゃなかったから。
佐野の深さ、谷口以上に手ごわい気がします。お二人とも、ありがとうございました!

2007/02/21(Wed) 19:12**URL**雪うさぎ [ 編集]


佐野くんは深いから、オモチャ(ネタ)にできないんですね。
だから私はSANOに行っちゃうんだ。そうか。

2007/02/22(Thu) 02:36**URL**タミー [ 編集]

だけど 涙がでちゃう …女の子だもん…
おっはようございま〜す。相変わらず早起きのRinでっす。でも、大丈夫。夜は9時頃には寝てますので、たっぷり7時間は睡眠とってますよ〜ん。
と、ふざけて入ってきたものの…。佐野君考察。すっごいことになっている…。雪うさぎさん、佐野君への憧憬を「女の子」としてレスしてしまったこと申し訳ない…って…。私は全く気にしませんよ! むしろ、その通り! ですよ。 ふふふ…。Hちゃんがここを見て、佐野君の彼女企画やってくれそうな予感…。そして皆さんのコメント…。どうなることやら? ふふふふ。今から楽しみ…。
私も、補足にまいりました。酔八拳さんのおっしゃっていた佐野君「月」説。夜空を見上げて昨夜の月をぼんやり眺めていたら…佐野君は「眉月」だなぁ…。と。決して満月なんかじゃない。満月になろうとして、というかなっていることすら気づかせない程細くシャープな眉月。昔の歌(万葉集だったか古今和歌集だったか…)に眉月に誓いをたてる…という感じのものがあったはず。佐野君は、まあ、自身が誓いをたてる訳じゃないんだろうけど…。ああ、ジレンマ。彼を上手く表現できないなぁ…。「言われれば、俺は投げ抜くよ」。改めて聞くといいセリフだなぁ。千葉集に入ってたかな…。是非入れたいなぁ…。はぁ。中途半端なレスになっちゃいましたが…。今日のところはこの辺で…。

2007/02/22(Thu) 05:12**URL**Rin [ 編集]


<タミーさん
ナイス突っ込み!いや、そういわず、佐野にも愛の突っ込みを入れるべきですよ。この子にはそれぐらいの荒療治がいるんじゃない?いっそ、近藤おしつけてみるとか。(・・・会話にならねーなあ・・・)。
<Rinさん
あは、よかったあ。気にしすぎでしたか、ありがとうございます。
昨日の月は本当に綺麗でしたよね、ぴんと張りつめたような。
うーん、和歌は知らないですが、たしかに、佐野は満月では無いような気はします。欠けているから成長する。満ち足りない。ジレンマですよねえ。
えーと、念のため、「言われれば、俺は投げ抜くよ。」は、からくりさんのオリジナルだったと思います。
佐野らしい一面を切り取った素敵セリフです。

2007/02/22(Thu) 14:31**URL**雪うさぎ [ 編集]











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