実写版映画の熱狂時のブログ。熱い感想から、ふと浮かんだ疑問、父ちゃん論から大人と子供のユートピア論まで。





**キャプテン実写版みてきましたーネタバレあり 2007/08/20 00:05
オレンジ色のポーチげっとしましたです、派手好き。
行きが満車で、しかし母ちゃんの我が儘で子供ら付き合わせてるんだからと母ちゃんの責任でグリーン車乗せました太っ腹田所さん気分、劇場でグッズも買ったら、帰りの電車賃危なかった・・・。
子供ら、劇場ではグッズいらないって言った癖に、帰ってきたら母ちゃんのものを奪おうとするんだから。
MOVIX堺、駅からえらい遠かったです。10作品ぐらい上映しているような大きい郊外型の映画館でした。
以下は感想。ネタバレ含みますので要注意。




・・・ぼろぼろ、もう、たぶん殆どうれし涙だったと思う。
(いや、始まった途端に、 ポップコーンこぼしたちびの小さい悲鳴が・・で、振り向いたらもう始まってたんですが、風景流れた瞬間から涙腺スタンバイ・・宇都宮すごい・・)
世界、空気の匂い、もうそんなもんがぶわっときて、ダメだった。
うさぎハンカチにぎりしめっぱなし。
谷口君が谷口君だった。はにかむところも、情けなさも、無念さも、ひたむきさも、あこがれも、最後の強さも、うん。
丸井とイガラシの、ツーカーででもちょびっとライバルで・・も素敵だった。
佐野の最後の別れ際の一瞬の顔が、大好きだ。
大人(父ちゃん)の世界も同時進行で。
いくつか、あ、これ、マンガのアングルだ、と思うところがあったり。
カメラがひいて写していくところとか。
最初と最後が。
谷口さんって・・監督にとっても、そうなんだ。と思った。
実写の映画、だから、より、リアルに近いはずなのに。
・・・歯切れの悪い言い方でゴメン。見たらわかる。
そしてそんな感傷を笑い飛ばす終わり方のテイストもまたちばあきおらしさだよなあ、と。
帰りの、駅のホームでね、空を見上げてたら、中学生当時(キャプテン大好きだった時代に)
大好きだった流行歌が口をついてでた。
それぞれ、思い入れと背景は違うんだろうけど。
すんません、松田聖子の「蒼いフォトグラフ」でした。
いや、なんでだろうねえ・・・。
歌詞の順番は適当だ。

いつかどこかで会っても 変わらないねって 
輝いたとき 忘れないでね 蒼いフォトグラフ
今一瞬あなたが好きよ 明日になれば分からないわ 港の引き込み線を渡るとき そう呟いた
みんな重い 見えない荷物 肩の上に 抱えてたわ それでも なぜか明るい顔して 歩いてたわけ
いつも何かに傷付いてた そんなとこ二人ともよく似てたね
写真はセピア色に 褪せる日が来ても 今の蒼さをなくさないでね 蒼いフォトグラフ

お兄ちゃんは佐野かっこいー!を連発中。
フン、行って良かっただろ。




【キャプテン・プレイボール 】

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またもや佐野語り
こんにちは、酔八拳です。
そうそう、あの佐野の一瞬の表情、わたしも気になりました。
わたしが敢えてあの表情にセリフを添えるとしたら、「楽しかったよ」となるのかなぁ。
一応作中では「キャプテン」となっている佐野。
しかし練習の指図は監督がするし、実際に部員を纏めているのはむしろ「敵役」として描かれた大山君(だったかな?)のような気がします。
つまりここでの「キャプテン」というのは「佐野が飛び抜けて高い位置に居る」事を示す称号に過ぎず、それだけに佐野はやはり孤高の人であり、「楽しさ」とは別次元の野球をしてきた人であると思う訳です。
そんな佐野に正面から向き合い、佐野の球を完璧に打ち返した谷口。やっぱり佐野に大きな感情の動きをもたらすのはこの人なんだな。この辺りの作り方は個人的にとても嬉しい所でした。
それにしても「絶妙なタイミングで寝言を言う親子」…母ちゃんとしてはおいしいシチェーションですよね。
本日はこの辺で。
ではまた。

2007/08/20(Mon) 02:00**URL**酔八拳 [ 編集]

そうですそうです!
あの一瞬、笑ってましたよね、確かに!
ええ、ええ、ホントに楽しそうでした、佐野。
練習で黙々と投げ込む描写はストイックで、谷口君含む青葉の憧れで手の届かないもので(でも打てるようになりたいなあという谷口君の憧れと無理だよと言う仲間の憧憬は同じではないんだなあ・・うふうふ)そして、ひとつひとつの台詞が真正直。裏表がなかった。
孤高だけども、大山君の(キャッチャー名前出来たんですね!)すごく佐野を大事にしているのがまた伝わってきて、なんか嬉しかったですね。
寝言!母ちゃん頬ゆるみっぱなしですよ〜もう。

2007/08/20(Mon) 22:32**URL**雪うさぎ [ 編集]




**まだまだ熱 2007/08/20 23:30

グッズを分けてもらえないお兄ちゃん、「自作してやるー!」と、布に墨二とヘルメットの刺繍をちくちくやってます。昨日から佐野佐野いってます。ちびは丸井丸井言ってます。
私は墨二シャツパジャマにしてご機嫌。なるほど気持ちいいやこれ。
今日はちびの検査の日でした。膀胱尿管逆流・・・の。涙目で我慢した結果、自然に治ってきてるとのこと!手術しなくてもいいんだ、よかったー。
なんで昨日から脳味噌が松田聖子なんだーとセルフ突っ込み入れてましたが、
二番の歌詞♪また誰かを〜好きになっても〜こんなピュアに愛せないわー♪
なんだろうと結論。
そっか、やっぱ初恋だよ、谷口君。(きっと同病多数・・・ね?)
と、すーみんさんの堂々のブログタイトルをみて思ったのだった。
しかし、今はもうひとつ大人目線もあるわけで。
父ちゃんの描かれ方、筋を通す大人としての。嘘をつかない生き方。
大人だから偉い訳じゃない。親だから権威な訳じゃない。
昔「絶対に子供に謝ったことがない」といばってた親がいたがとんでもないはき違えだ。
子供はみてるんだろーなあ・・と。
自分が谷口君に勇気をもらったのは中学時代。がんばったその先、はやっぱり子供たちには見て欲しい世界だなと思う。キャプテンキャプテン言いながらミーハーで子供ら連れ回してる母ちゃんだが、何か残ってくれたらな。
お盆のとき、初めてお兄ちゃんに走ってるところ見せたんだ。些細なことだが、なんかえらい尊敬してくれた。そうか・・こんなんでもいいんだなあ・・と思いつつ。
憧れた世界が映画になってる。あーだめだ、やっぱり当分何も手につかないや。
まとまらない考えでも呟いていけば見えてくるかな。



【キャプテン・プレイボール 】


**少し冷静?な感想 2007/08/22 22:50
ようやく冷静になってきたので、色々と考え中。
・・・また雪うさぎの考えすぎが始まったと笑って流してください。
ネタバレといいつつソフトでしたが、今回ばかりはホントにネタバレ、そして辛口になりそうなので、映画まだ・・の方は見てから読まれた方がいいです。
とりあえず、大人の世界と子供の世界の、一見曖昧なようで確固として交わらない・・というキャプテン暗黙のルールを、もしかしたら映画は越えてしまったのかな、というのがお題です。
大丈夫な方は続きをどーぞ。
・・・
・・・
まりねさんのブログ読んで、うんうん唸って考えてました。映画館で感情の波に流されながら、ちょいと心に引っかかっていたこと。
谷口君の指のケガにまつわる一連のエピソード。
原作における、あれは・・雪うさぎは、子供の世界でけりをつける、大人の立ち入れない状況で起き得た事件であり奇跡であり・・・後悔だと考えている。
子供の世界で、というのはその後丸井編であれイガラシ編であれ(松尾母の乱入は阻害されて)続いていくのだが、それは大人の世界がまたユートピアではありえないからで・・。(そして子供と大人の間であるプレイボールで、田所さんが谷口を止めるという状況、止めない倉橋という状況、2つのテーマは永遠の課題です、私にとって。)
映画では、その子供の世界に大人の視点が、2方向から交わっていく。
三咲先生の現実的思考から始まっていつのまにか子供の世界に引き込まれていこうとする側、筧さん演ずる父ちゃんとサブの、理想とするところへ全力投球していく側。
その最後の接点が、谷口君の指に行き着くのだけれど。
この二つの大人の視点は、もとは一つだったもの。・・つまり、ちばあきおの原作における父ちゃんは・・一筋縄ではいかない現実の苦さも抱えている。
「もうあきらめろ タカ」
「やるだけやってだめだったんだ、胸張って話してこい!」
これは、筧さんの父ちゃんなら言わない。
歯を食いしばって、タカに頑張っているところを見せている父ちゃんだからこそ、
指のケガをおして試合を続けようとする息子の背中を押せた。
筧さんじゃなかったら、三咲先生じゃなかったら、多分納得してないと思うんだな。
(別マンガですが、メジャーの母さんをちょっと思い出したのでした。)
ハナ肇さんの父ちゃんだったら、雨森雅司さんの父ちゃんだったら、佐々木梅治さんの父ちゃんだったらどうしたろう。
子供の世界だけが成立した時代は過ぎて、かかわらざるを得なくなっている時代。
アニメプレイボールの父ちゃんは「自分で答えを出すしかないんだぜ」と言った。
イガラシ編で「いいんだいいんだよくやった」と佐野を降ろす監督。
初めて谷口君側に踏み込んだ「息子の好きなようにやらせてやって下さい」筧父ちゃん。
答えは一つじゃない。
ただ、この父ちゃんの答えは、多分、大人も夢を見ているのかなあ・・ユートピアの住人なのかなあ・・と、思った。
(すみません基本田所ファンですので・・わはは)。
一回しか映画見てないので、DVDでたらまた視点はかわるかな?




【キャプテン・プレイボール 】

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このコメント、苦労しました…
こんにちは、酔八拳です。
「子供の世界」かぁ…大人を交えずに悩み、衝突し、乗り越えてゆく原作の子供たちのたくましさは、確かに眩しいですね。
映画の大人たちの関わり方に関しては、わたしなら及第点をあげられるものでした。
三咲先生の行動は、顧問としては自然でもあり、義務ですらありました。
一方の父ちゃんは…これは原作の「偉大なる平凡人」ではなく、明らかに「似た者親子」として描かれていました。
自分と似ているから、内に秘めた炎が見える。
自分と似ているから、手本となる背中を見せなければならない。
自分と似ているから、「一生後悔するかも知れない時」を見過ごさなかった。(しっかしその後の母ちゃんの追究に「うんこ」ってあんた…)
いずれ敗れる事を(乗り越えられていく事を)宿命づけられたライバルとしての父、を筧さんは見事に演じたのだと思います。
そしてこの辺りは、「キャプテン」を上手く換骨奪胎した部分だと、わたしは肯定的に見ています。
普通に考えたら無茶な注文を見事やり遂げた父。
指の怪我をおして佐野から長打を放った子。
谷口の「狂気」にも似た執念を描く上で、「似た者親子」という手法は中々有効であったとわたしは思います。
今回はこの辺で。
ではまた。

2007/08/24(Fri) 22:52**URL**酔八拳

恐ろしいひとです室賀監督!
<酔八拳さん
なるほど、すとんと落ちました。
筧父ちゃんが、道しるべであり手本であり、最大の理解者であるってのは納得していたんですが、同じ炎(狂気)を孕む似たもの、というところまでは気が回りませんでした。
確かに、照れ屋のオブラートに包まれて見えにくい谷口君の本質を分かりやすく表現するのに、これほどぴったりな描き方はないでしょうね。
すると筧父ちゃん・・・田所より倉橋よりまだ上なのかっ(今気付いて愕然)。
谷口君に感情移入すればこれほど心強い父親はいないよ・・。
恐ろしい人だ室賀監督。
しかし、実際には映画館で三咲先生状態でわたわたしていた自分です。というか、どうしても母親的思考から抜けられない。もうベンチ突っ込みシーンから「お願い誰か止めて・・・」と祈ってました(誰にだ)、自分が母ちゃんだったら絶対あとで父ちゃんひっぱたいてます、たとえ止められないと分かっていても。そんな自分の葛藤があるから、原作はまだ大人の知らない世界でおこったことだから、と納得させていた部分もあるんでしょうね、谷口さんは谷口さんなのに。
苦労したコメント・・とのことですが、私も消化不良のまま投げかけた部分もあるので、レスありがとう。
おかげで悩みがすっきりしましたよ。
でも父ちゃんひっぱたく・・!(笑)

2007/08/25(Sat) 15:29**URL**雪うさぎ

谷口親子。
こんにちは、酔八拳です。
谷口と筧父ちゃんが似ているのでは?とわたしが思ったのは、父ちゃんの呼びかけに応じて集まった鳶の人たちの父ちゃん評が、いずれ部員達が谷口に対して抱くであろう気持ちと似ているような気がしたからです。
谷口が、父ちゃんが、みんなを引っ張って行く力。狂気にも似た炎。付いて行った先に見える、爽やかで充実した世界。どこか怖いけれど、離れられない気持ち。…それが谷口親子の「カリスマ」の核となる部分。
それにしても、父ちゃんを素直に尊敬でき、母ちゃんに素直に甘えられる家庭。…谷口は幸せな人だと思います。
「でも、楽しかった!」…布施タカオ君に笑顔でこう言われたら、母ちゃんとしてはもう指のケガのことは言えないでしょうね。…父ちゃんの頬っぺたには既に紅葉が張り付いていたとしても(笑)。
上手く纏められなかったコメントにお返事ありがとうございました。
ではまた。

2007/08/26(Sun) 01:10**URL**酔八拳
これはもう谷口語りですよね♪幸せになってほしいから
<酔八拳さん
父ちゃんのカリスマは、あの皆で夜食をほおばるシーンですよね。
表出する性格は違っても、内面は谷口くんの鏡のような筧父ちゃん。
(今、お兄ちゃんがまさに同じ感想を述べてました。「谷口って何でもやり遂げるよねー、でもって父ちゃんも一週間で家作っちゃうんだ、そっくりだねー」)
上手くまとめてくださったので(頬に紅葉ってww)、あと一言だけ追加。
大人の世界を平行して描いているけれど、そうか、これはひょっとしたら未来の谷口君がどうあるのかを、ちらりと見せてもらったのかも知れないなあ。
そう思ったとき、原作に感じたキャプテンの孤独感は消えた、どこまでいっちゃうんだろうという谷口君に対する漠然とした不安感が消えた。地に足を着いて、信念はそのままに生きて皆に愛されている大人がいる、これが谷口君の幸せな未来なんだ、と思いました。凄く安心しました。
実際思い出すと、実はプレイボールと重なる風景もいくつか挟まれているんですよね、あの、商店街のマラソンとかはアニメのバッテイングセンターを彷彿としましたし。
いやもう、そこまで深読みする必要はないんだけども。
たんなる言葉遊びなんだろうけど、そんな未来の図に、大工仲間で頼りになる倉橋さんって、なんだかすごい嬉しい符号ですよ(そこですか・・)
父ちゃんと母ちゃんの安心感と未来と。見て暖かくなったのは、そこ、もあるんだろうなあ。

2007/08/26(Sun) 22:58**URL**雪うさぎ






**脱帽。 2007/08/29 18:02
ユートピア。
ぼろっと使った一言に、ものすごいコメントを応援サイトさんからいただいてしまいましたよ。
ネタバレかと言えば概念的な話なので大丈夫・・・かどうかは保証しない。
大きく振りかぶってまとめてしまったので先にあやまっとこう。詳しい内容は各サイト様へ。




・・
・・
先日からの、指のケガ話で、ブログコメントで酔八拳さんから、谷口君と父ちゃんが同じ魂を持つ者なんだ、という話になった。諦めない、頑張ったその先へ人を連れていける、カリスマ性。似たものだから、谷口君の気持ちが分かるから、止めない。
大人でもユートピアを生きてる。
(そんな父ちゃんに谷口君の幸せな未来像を見た雪うさぎでしたが。)
マァ猫さんからは、子供の世界は形を変えて守られているという、決して大人が荒らしてはいないという話。ものすごく父ちゃんな目線で、悩みながら不器用ながら、息子がどうしたいのかを考え、動いていく父ちゃん。(こうしなさい、で潰される子供だっているので、これもものすごく谷口君を守っているのだと思う。野球を好きでいていい、ただがんばればいいという世界自体を。)
からくりさんから、「帰る場所」としての父ちゃん。
ユートピアに憧れた元少年の大人たちが子供の世界を守りきれるかと言えば、そりゃもぅ上手くいかないのが現実。何が出来るか、といえば、よくやった、と肩を叩いて抱き締めて、ただそれだけだけれどとても大事なこと。
それで、守られる。
・・・並べると、すごい!各各重なりながら一つの流れだ。同じものみてるよ・・。
いや、もちろんすごいのは室賀監督で筧父ちゃんなんですが・・。
で、雪うさぎは自分の子だったら止めるのかと言われると、止めます。が、うちの子は、お兄ちゃんは理屈に合わない叱りには納得しないと泣きながら抗議するし(何回謝らされたか・・・)ちびはだまってどっか行っちゃう・・・。・・負けそうだ。
でも、きっと、「親だから、ほっとけない。止めるよ。」と言うと思う。
それでもやるというんなら、もう私の子供は卒業だね、と腹くくるしかないけども。
恨まれても憎まれてもいいから止める、のもまた一つの親の腹のくくり方。
止める人間も、背を押す人間も必要なんだろう。(そしてうちはその2役をやらなきゃいけないんだろうなあ・・)
しかし悔いが残ったとしても。
挫折も、悔いも、不完全燃焼も、疵だって全部次の糧になるのがこの生きてる世界だ。
不完全燃焼で、甲子園に行けなかったことを悔しいと今でも言いながら、甲子園にプロとして立っている選手の話をなんだったか読んだ覚えがある。優勝していたら、プロにはなっていなかった、という言葉をどこかで読んだことがある。
大丈夫。糧になるよ。
・・ただし糧になるための強さは、教えといてやらないといけないんだろうなあ。
うーん・・・・。




【キャプテン・プレイボール 】


















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